歯科経営の勘所
心理学の分野に、Youメッセージ・Iメッセージという方法があります。
相手の行動に変化をもたらしたいときに、Youメッセージではなく、Iメッセージで伝えること。
例えば、スタッフのAさんが遅刻をしてきたとしましょう。
院長であるあなたは、Aさんに対して、Youメッセージで対応すると、
「遅刻するなんて、仕事に対しての意識が足らないからだ!」
というような表現になるでしょう。
これをIメッセージで対応すると、
「Aさんは、スタッフのリーダー格であるし、新人の見本になるわけだから、正直今日遅刻してきたことは、とても残念なんだ・・。」
というような表現になります。
Youメッセージは、相手をとがめるメッセージ。かたくなに抵抗され、恨みが蓄積されるだけでしょう。
一方、Iメッセージは相手の行動(遅刻したこと)を良いとか悪いとかを評価している訳ではなく、自分(院長)はどう思うと素直な心情を伝えています。
また、Youメッセージは、Aさん自体を非難していることに対して、Iメッセージは、Aさんの行動(遅刻したこと)に焦点を当て、叱っているが、Aさん自体は、尊重していることがメッセージとして、伝わります。
(Aさんのことは、尊重しているよ。ただ、遅刻する行動は良くないよね。Aさんの素晴らしい部分が曇っちゃうぞ・・・。というニュアンスが背景にあります。)
院長の口から発せられるメッセージは、医院のマネジメント上、とても重要なことです。日頃、発しているメッセージがYouメッセージになっていないか、ぜひチェックをしてみて下さい。
相手の行動に変化をもたらしたいときに、Youメッセージではなく、Iメッセージで伝えること。
それを意識することで、院内のコミュニケーションが円滑になるのです。
ドラッカーの書籍「産業人の未来」に、
社会というものは、一人ひとりの人間に対して「位置」と「役割」を与え、重要な社会権力が「正統性」をもたなければ機能しない・・
という記述があります。
歯科医院で働く一人ひとりの人間に対し、社会的な位置と役割を与える必要がある。そして、スタッフを社会の目的の実現の為に参画をさせる必要があり、院長はスタッフの目標・行為・欲求・理念に対して、社会的な意味付けを与えること。
存在意義を明確にすること。
例えば、
歯科衛生士:
予防のプロとして歯科医師同様、独立した存在である。自身の担当患者については「目の前の患者さんのおくちの健康は自分にかかっている」という意識を常に持つ。
受付:患者さんとのコミュニケーション。診療室で見せない患者の気持ちを汲み取り、診療室との橋渡しの役割を担う。 予約管理、様々な経営データの管理を担う。
歯科助手:治療中の患者さんを唯一間近で見ている存在。
単なる診療補助に限らず、コミュニケーションを積極的に図る。 カウンセリングなども行うので、ある意味、オールマイティな立ち回りが求められる重要な存在
TC:患者さんとのコミュニケーション。
様々なカウンセリングを通して、患者さんへのインフォームドコンセントを担う。 各種ツールの作成、ホームページの更新、見学者などの来院者への対応も担う。
このように、存在意義を明確化し、文章にし、言語化して伝えることが大切です。
もちろん、面接時には、求職者に対して、
「医院に貢献していただきたいこと」として
「何をあなたに期待するか?」を明確にすべきです。
医院として、スタッフの「位置」と「役割」を明確にし、存在意義を明確にすること・・
を今一度、考えてみて下さい!
ある先生からクレーマー対策のお話をいただき、「なるほど!」という内容でしたのでシェアさせていただきます。
皆様の医院にも「クレーマーさん」が来院されることもあると思います。
特に、日頃様々なストレスにさらされ、溜め込んでいる方が、医院の受付にて「毒を吐く」事例等、よく耳にします。
毒を吐いたクレーマーさんは、気分スッキリ・・・。
しかし、毒を吐かれたスタッフの方は、たまったものではありません!!
まじめな方ほど、真正面から受けてしまい、精神的なバランスを崩してしまうこともあることでしょう。
その医院では、クレーマーさんに「カオナシ君(さん)」とあだ名を付けることにしました。 「カオナシ君(さん)」は、ご存知 千と千尋の神隠しのキャラクラーですね。
寂しい現代人の象徴・・・第3者の承認を求める自己愛の強いキャラクターです。
全員で「千と千尋の神隠し」のDVDを観て、クレーマーさんと「カオナシ」を関連付けたそうです。
そうすることによって、今までクレーマーさんが来院されると「嫌だ・・」という感情がまずあったのが、
「あなたは第3者の承認を渇望しているのね・・・」
と余裕をもって対応することができるようになったそうです。
何より、医院で共通の認識をもち、あだ名を付けて、医院として対応する姿勢を示すことによって、受付で対応するスタッフの気が楽になったとのこと。
クレーマー対策は医院として確たる対策を考えてください。
院長の毅然たる姿勢が、スタッフを守り、医院を守ります。クレーマーからの攻撃をスタッフ個人の対応に依存するのではなく、医院全体で対応することで、スタッフが安心して仕事が出来る環境を作ることが出来ます。
ソリューションズ・フォーカス(結果思考)という考え方が広まっています。ソリューションズ・フォーカスとは「解決策に焦点をあてた思考法」です。
それに対し、多くの歯科医院で行われている解決法が、プロブレム・フォーカス(原因思考 問題点に焦点をあてた思考法)といえます。
例えば、ある歯科医院で問題が起きた時、プロブレム・フォーカスでは、問題点の原因を探り、誰に責任があるのか明らかにしてその問題点をどうするか考える。
一方ソリューションズ・フォーカスは問題点を分析するのではなく、どんな結果を望むのか、どういう状態が解決といえるのかを明確にし、その解決に向かって進める方法です。
プロブレム・フォーカスでは、責任や原因を追究しているうちに、スタッフ間のエネルギーが下がっていくのに対し、ソリューションズ・フォーカスでは、スタッフ間の人間関係も好転し、エネルギーが高まっていきます。
例えば、何かしらの問題が医院で発生したとします。
これを、従来のプロブレム・フォーカスで解決しようとすると・・
「どうして、こんなことが起きたのか?原因は何?」
「そうすると、Aさんがしっかり対応しなかったから?」
「Aさん、どうして対応しなかったの?理由は?」
このように問題点に焦点をあてると、問題点が解決しないだけでなく、確実にスタッフ間でダメージが残ります。最終的には個人批判となってしまい、スタッフ間のモティベーションは下がります。
批判されたAさんは心の中では
「私は院長が言ったとおりに実行しただけなのに・・・。」
と思っているかもしれません。
一方、ソリューション・フォーカスで解決しようとすると・・・
「今回、こんな問題があったわけだけど、実現したい状況はどんな状況だろうか?」
「現状はどうなのか?」
「実現したい状況を100点とすると、今は何点?」
「40点を60点にするにはどうすればいいのか?」
「それを100点にするには、どういうサポートが必要か?」
「では、実現したい状況に近づくための最初の一歩は何?」
「よし、じゃあそれからまずやってみようよ!」
解決策に焦点をあてると、解決に向かって更なるアイディアが出され、エネルギーが高まります。この、解決までのプロセスを通して、スタッフ間の人間関係も好転します。
このノウハウは、歯科院経営のみならず、家庭でも効果を発揮します。何か家庭内で問題が起こったときに、パートナーを責めるのではなく、
「僕らが理想にしている状況はどんな状況だろうか?」
「現状は100点満点で何点だろうか?」
「40点なら、60点にするにはどうすればいいだろうか?」
「100点にするには、何を手伝えばいいの?」
「小さな最初の一歩は何?僕はこれをやるけど、君は何をやる?」
「じゃあ、お互いやってみようよ」
お互いが理想とする状況をイメージして、ワクワクとアイデアをだしながら、解決に近づけるわけです。私自身、このノウハウを家庭に応用して、かなりの効果を発揮しています(笑)
プロブレム・フォーカスでは、責任や原因を追究しているうちに、スタッフ間のエネルギーが下がっていくのに対し、ソリューションズ・フォーカスでは、スタッフ間の人間関係も好転し、エネルギーが高まっていきます。
歯科医院で問題が起きた時、院長が「ソリューションズ・フォーカスしよう!」と切り出して、問題解決を図ります。そのリーダーシップの基、スタッフ間のコミュニケーションが円滑になるのです。
詳細は知りたい先生は、下記の書籍が参考になります。
■組織の成果に直結する問題解決法 ソリューション・フォーカス
(ポール z ジャクソン・マーク・マカーゴウ著)
最近、スタッフの皆さんと「初診カウンセリング」や「補綴カウンセリング」の勉強会をして思うこと。
それは、「コーチング」や「NLP」等のテクニックに走り過ぎているのでは?ということです。
これらのテクニック以前に、
「患者さんに寄り添うこと」
そして、「人間の基本的な欲求」やそれと相対する「人間の基本的な弱さ」を充分理解して、カウンセリングに臨むことが大切だと思います。
「人間の基本的な欲求」とは、
愛されたい。大切な人だと思われたい。
認められたい。一目置かれたい。
精神的にも経済的にも安心感を持ちたい。
財産を作り、増やしたい。
夢を持ちたい。
「人間の基本的な弱さ」とは、
物事を先に延ばす。
一番抵抗の少ない道を選ぶ
責任を回避し、現実に直面しようとしない。
先行きを心配する
例えば、患者さんは「補綴カウンセリング」の際に自費の補綴物を選択しようかな・・と思いながらも、結論を出せず一番抵抗の少ない「保険診療」を選んでしまったりするのです。
カウンセリングの際は、そのような「人間の基本的な弱さ」を理解しつつ、患者さんの「夢」を応援できるようなお話が出来ると良いでしょう。
テクニックにはしるのではなく、「人間の基本的な欲求」やそれと相対する「人間の基本的な弱さ」を充分理解して、患者さんに寄り添いコミュニケーションを図ることが必要です。
先日、「話を聴くことの大切さ」を体験しました。
私が書斎で仕事をしていると、長男が来て、昼間に観たポケモンの映画について、話をし始めました。
仕事をしていても、子供が書斎に来たときは、余程の急ぎの仕事でない限りは、子供とのコミュニケーションを最優先にしています。
「今日のポケモンの映画はね・・・」という長男の話を傾聴し、「オウム返し」をしていると、延々と楽しそうに話をし続けました。
こんな時、私は頭の中でマインドマップを作成し、枝が繋がるように質問をし続けます。
妻から、お風呂に入ろう!と言われても、
「今、パパとポケモンの映画の話をしているから、邪魔しないで・・・!」と断る始末。
仕舞いには、「今日はパパと一緒に寝る・・・」と言ってずっと抱きついていました。
これには、正直びっくりしました。
日頃は、「パパはいびきがうるさいから、書斎で寝て!」と虐げられているのに・・・。
相手の自己重要感を満たしてあげること。
この役割が患者さんに対して、医院全体の文化となれば、価値ある存在となることが出来ることでしょう。
皆、自己重要感を満たしてもらうことを渇望しています。
患者さんに対して、あるいはスタッフ間同士で「自己重要感」を満たすことを意識してコミュニケーションをとることによって、人間関係が円滑となるでしょう。
ここ数年で「コーチング」について、多くの書籍が出版されたり、「コーチ」の資格を取得する方が増えてきました。
「コーチ」というと、スポーツ関係と結びつけてしまいますが、相手とのコミュニケーションを円滑に運ぶスキルを持った人ともいえます。
実は、私はこの「コーチング」という手法に関しては、かなり以前から注目しておりました。
まだ、「コーチング」の概念が日本にはない頃です。
当時、私は住宅メーカーの営業をしており、入社2年目で「どうすれば住宅をより多く販売できるのか?どうすれば、若造が信頼を得ることができるのか」必死で考えておりました。
そんなとき、ファイナンシャル・プランナーの取得ため、勉強している際に、コーチングという概念があって・・・。
ということを知りました。
「これだ!」と直感的に思ったものです。
先日、ある「コーチ」の方からこんな話をいただきました。歯科医の先生にも当てはまる話 でもあると思いましたのでお伝えいたします。
私と弁護士とコーチの3人での雑談ですが、ここ数年で「コミュニケーション能力の必要性」がとても高まったという話です。
今までは例えば専門家は知識が「主」でコミュニケーションが「従」であった。弁護士等は知識さえ提供していれば、商売になった。クライアントと、どうコミュニケーションをとるかはあまり意識しなくてもよかった。
しかし、今は違う。インターネットで検索すれば、必要な情報はタダで入手できる。
六法全書は1枚のソフトになった。
そして、今後弁護士はますます増加する・・・。
現在においては、コミュニケーションが「主」で知識が「従」という位置付けに変わった。
コミュニケーションがベースにあり、そのうえで、知識の提供がある。
提供できる知識でなく、クライアントとの関係性をどう築くかがこれからの商売の分かれ道になる。
例え、弁護士の資格を取得しても、クライアントを掴めなかったら、そして、クライアントとの関係性を築けなかったら、商売にならない。
つい先日も、大手電気メーカの人事部長とお話する機会がありました。
その方が、技術職の採用において重視する優先順位は、
意欲・その人の仕事に対するスタンス
コミュニケーション能力
専門スキル
とおっしゃっていました。
私が、「技術職であれば、「コミュニケーション能力」より、「専門スキル」の方が、大切ではないのですか?」
と質問すると、人事部長は「今まで何人、専門スキル重視で採用し、コミュニケーション能力の欠如で解雇したか・・」と嘆いておりました。
時代は、想像以上に「コミュニケーション社会」を求めているようです。
歯科医院経営においても「患者さんと、いかに円滑にコミュニケーションを取るか?」がより問われる時代であるようです。
先日、コミュニケーション能力について考える出来事がありました。
以前に私がスーツを作っていたお店が廃業となりました。
50年近く続いた老舗でした。
仕立て等は問題なかったのですが、私は1年前にこのお店でスーツを作るのをやめました。
それには、理由がありました。
まず、まったく私の名前を覚えませんでした。私はこのお店で5年間、半期に2着のスーツを作ってきました。合計20着です。
また、仕事の仲間を5人ほど紹介しています。私からの紹介を含めると、およそ100着のオーダースーツの受注が取れたと思います。
いわゆる「お得意様」でもあるわけですよね。
にもかかわらず、スーツの採寸表を確認する際に、店主は、
「えーっと・・・、あれ・・・、お名前は何でしたっけ・・・?」
しかも、できあがったスーツのネームのスペルも間違えていました。
そして、私は紹介した仲間にも、マイナスの口コミをするようになります。
すると仲間も、「そうだなあ、オレも店変えようかな・・」と。
恐らくこのお店の売り上げに関しては年間20着ほどは少なくなってしまったと思います。売り上げでいうと100万円近くのマイナスだと思います。
一方、近所の焼き鳥やさんの話。
規開業以来、懇意にしているのですが、2回目に行った際に
「本間さん、どうもいらっしゃいませ!」と言われました。
私は、どうして名前を知っているのか?と思ったのですが、妻が「領収書をもらう際のやり取りで覚えているのでは?」と言いました。
何か、会話のあるごとに「本間さん・・・。」と名前を連呼されます。近所のお店なので、知り合い等にもあの店はいいよ!と口コミをします。
すると、
「この前本間さんに紹介されました。という○○さんに来店いただきました。ありがとうございます!」と言って生ビールをサービスしていただきました。
この店は、もちろん味もよく繁盛店です。
スーツ店に関しては、私への対応が恐らく他のお客様への対応に際しても同じことが言えるでしょうから、徐々にお客様が離れてしまったことが想像できます。
50年続いた老舗でもです・・。
一方、繁盛している焼き鳥屋さんは、お客がお客を呼んでいる状況です。先日、妻と言った際にも、妻に対して
「いつもご主人には、ごひいきをいただいております。本間さんの紹介ということで、何人もご来店いただいてまして、今なんとか商売できているのは、ご主人のおかげなのですよ・・。」
そうお世辞をいわれて、私としてはうれしくないわけはありません。
そして妻も、「今度○○(近所の主婦友達)と一緒に飲みに来よう・・・。」と、またしてもファンが増えてしまうのです。
50年続いた老舗のスーツ店の廃業と、新規開業して2年で日々繁盛している焼き鳥屋さん。
いろいろな要因があるとは思いますが、要因のひとつに
以前にニュースステーションで鳥越俊一さんの直腸ガン闘病の様子が放映されました。その番組のなかで、こんな話がありました。
「ガンになって落ち込んでしまわぬように、もう一人の自分を創って実況中継する。」
この話を聞いたとき、ある言葉を思い出しました。それは、
「メタ認知」〜自分のことを客観視するもう一人の自分を意識すること〜
です。元サッカー日本代表の中田選手はチームの司令塔として活躍していましたが、、彼の「キラーパス」はこのメタ認知があってなせる技だそうです。ドリブルで相手ゴールに向かっていきながら、サッカー場全体を見渡す鳥瞰図のような視点がある。
だからこそ、「キラーパス」ができる。
私自身この「メタ認知」を意識してきました。
感情が揺れ動いたときに、自分のことを上から観る自分を意識する。
特に「怒り」の感情が芽生えたときに、もう一人の自分が、「お前は何をそんなに怒っているのか?冷静になれよ・・。」と語り掛ける。
すると自然に感情がぶれなくなることに気づきました。
ぜひ、自分のことを客観視するもう一人の自分を意識してみてください。
感情に左右されない判断ができるよう手助けになることと思います。特に、歯科医院経営において、忙しくバタバタとしている時などは
ちょっとした事で「イラッ」としてしまうことは誰でもあると思います。
そんな時は、自分のことを上から観る自分を意識してもう一人の自分が、
「お前は今、イラッとしたな?冷静になれよ・・。」と語り掛ける。
既に実践している歯科医院も多くあると思います。
グッド・アンド・ニューはスタッフのやる気を高め、コミュニケーションを円滑にする方法です。
具体的には、全員が順番に良かったこと(グッド)もしくは新しいこと(ニュー)を発表していく。そして、「以上です!」と言ったら他のスタッフは拍手(承認)して、次のスタッフにバトンタッチをします。
私もサラリーマン時代に感じていましたが、多くのミーティングが「上司の説教めいたもの」「ただの形式的なもの」という印象があります。その「場」の状態だと活発な意見が出るわけがありません。
グッド・アンド・ニューは「良かったこと」「新しいこと」しか言えないので、言っている間はプラスの思考になるはずです。
また、聞いている周りの人もやはり楽しい気分になります。
それをミーティング前に毎日実施することによって、脳が楽しいモードに切り替わった状態で仕事に入れます。
「そんなカンタンにうまくいくの?」
という声が聞こえてきそうですが、私も経験して実感がありますが想像以上にうまくいきます。
それは、NLP(神経言語プログラミング)という心理学の手法にある「リフレーミング」を応用していることに理由があるようです。
「リフレーミング」は同じ絵を観ても外枠(フレーム)を替えると全く別の絵に観えるように、同じ事柄でも別の角度から見ることによって、全く違う事柄になるということです。
物事には必ず良い面と悪い面があることを認識しましょうということですね。
ツールとしては「クッシュボール」を活用します。ゴムでできたハリネズミのような丸いボールです。
通常、人前で発表する時は少なからず緊張するものです。緊張を強いられた状況では、なかなか自由な発想ができません。それを、クッシュボールを持つことによって、(別にお手玉のように遊びながら発表しても良いのです)
楽しい発想モードになります。
クッシュボールを持ち、楽しいモードに切り替えて、リフレーミングを行うことによって、前向きな発言をしやすくなります。
これを日々繰り返すことによって、前向きな発想が習慣になり、医院全体が活性化される。
実践するには、5分もあれば出来ることなので、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?
グッド・アンド・ニューは「良かったこと」「新しいこと」しか言えません。
それらを継続して実施することによって、物事の良い面を見る習慣化されますので、前向きな発言が多くなり、コミュニケーションの円滑化に繋がるでしょう。
最近「フロー経営」に関する情報が増えてまいりました。これは、CDやロボット犬「AIBO」の生みの親である天外 伺朗氏の活躍によるものです。
「フロー」とは、スポーツでいうと「ZONE」と似た概念であり、フロー状態の特徴は、
行為に集中、没頭している
ウキウキした高揚感
雑念がほとんどわかない
時間感覚の喪失
自分自身の感覚を喪失している
その場を支配している感覚。自分が有能である感覚
周囲の環境との調和感、一体感
であるそうです。本に夢中になってしまい、気づいたらかなりの時間が過ぎていた。等の感覚に似ているようです。
特に、スポーツをする人は、「あーあの時の感覚ね・・。」と思うことが1度はあるのではないでしょうか?例えば、私自身
少年野球でホームランを打った時、ボールをバットの芯で捉えた瞬間を、今でも映像として記憶にある
マラソン大会で1位をとった時、走っていることが快感で、周りの声援が、聞こえなくなっていた。
スキーで最高の滑りが出来た時は、足裏の感覚が研ぎ澄まされ、足裏で雪の結晶を掴む感覚が得られた。
このような経験をしています。
この「フロー」の状態を経営者(院長)が「場」としてつくることが出来れば生産性が上がることは言うまでもありません。
天外氏は、ソニーでCDの開発やAIBOの開発に携わるなかで「燃える集団」を率いて、困難な局面を迎えた際にチームが「フロー状態」になり、技術開発に取り組んだ経験を持っています。
天外氏の言葉を借りると、
「私が経験しているのは、チームが夢中になって仕事をしていると、突然スイッチが劇的に切り替わることがある。その状態になると、まさに怖いものなしになる。どんなに困難な局面を迎えようとも、必ず突破口が開かれる。新しいアイデアが湯水のように湧いてくる。必要な人と、まさに絶好のタイミングでめぐり会い、プロジェクトを成功させるのに必要な技術や部品が、まるでタイミングを見計らったように出現する。」
このように「フロー」について語っております。
そして、このフロー状態になるのは、金銭・地位・名誉といった外発的報酬を求めていたら、決して得られるものではなく、心の底から湧いてくるワクワク感のような内発的動機付けが必要になってくるようです。
ある意味、アメリカ型の成果主義では、決してフロー状態になることは無いことを意味しております。
天外氏の活躍によって、この分野の情報が拓けてくると思います。
フロー経営を院内に取り組む事ができれば、院内のコミュニケーションの円滑化のみならず、最強のチームを作る事ができるでしょう。
最近、「人間の意識の成長」について、とても興味があります。
「あの人は器が大きい」という表現がありますが、この「器」の違いが、やはり経営に大きな違いをもたらすことになります。
どの業界も、短期的に売り上げが上がっても、経営者にそれを受け止める器が無いと、必ず内部留保されたキャッシュは外に出て行ってしまうことになります。
お金はエネルギーです。
「交換」ができる「器」が無いと、エネルギーは外に向かって逃げてしまう。この「交換比率」のズレが、まだキャッシュが出て行くことで、つじつまが合えば良い ですが、身内が病気を患ってしまったり、事故に遭ったりしてしまうこともある。
とても不思議なことですが、よく経験することです。不相応のお金は受け取らないこと。
宝くじで当たった方の「自己破産率」が高いのは、大きなお金(エネルギー)を受け取る「器」が準備できていない状態で受け取ってしまった悲劇です。
「自分の意識を成長させるには?」
「器を大きくするには?」
やはり、医院の規模は院長の器以上には、大きくならないことは真理でしょう。
歯科医院のスタッフと共に成長しよう!という院長の意識が「院長の器」を大きくします。そのマネジメントで苦労をするプロセスで院長自身の意識が成長するのです。
少しずつですが、「易」を学んでおります。
「易」は「易経」ともいい、儒教の経書のひとつです。とても難しく、恐らく一生勉強し続ける内容であると思いますし、一生勉強する価値のあるものだと思います。
以下、「易」 本田 済 著 朝日新聞社の解説より引用させていただくと・・・・
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易は一字で三つの意味を含む。第一に易簡(たやすい)、第二に変易(かわる)第三に不易(かわらない)である。
宇宙は刻々に変化する。人事もまた。これが変易である。しかし、転変やまぬ宇宙の動きには、不易なるもの、変わらない法則性がある。
あたかも、かのおびただしい星の動きに整然とした軌道と周期があるように。
従って小宇宙たる人間の運命が、いかに気紛れに見えようと、そのなかには同じ法則性が流れているはずである。
こうした法則性ある故に、天地の道は知り易く、従い易い。易簡というのがそれである。
そして、「易」という書は、この変わりつつ、変わらないものを、象徴と数によってたやすく示してくれる。
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なぜ、「易」を学び始めたかというと、私自身、ビジネスおよび人生を歩むなかで、「明確な軸」が欲しいこと。そして、先生方より、「歯科医院経営」や「ライフプランニング」の相談をいただくうえで、必須であると確信したことです。
相談いただいた際に、自分の今までの経験および得た情報を軸にお話をするのではなく、膨大な先人たちの智恵をベースお話をすること。
易に照らし合わせて考えてみると・・・という思考ができることが目標です。
先述の解説にある、この変わりつつ、変わらないものを・・・の部分が肝ですよね。
人生の運気の流れみたいなものがあって、ひとつの理論的には正しいアドバイスも、ある時期には「良い」のですが、ある時期には「良くない」ということがあるのです。
ここの部分を理解せず、アドバイスをする危険性・・。ご理解をいただけることと思います。
「易」の本は、ある意味、「睡眠導入剤」のようなもので、とても難解でなかなか勉強がはかどらないのが正直なところですが、コツコツと知識を積み上げ、皆様からご相談いただいた際のアドバイスの質を向上していきたいと思います。
いつの日か、「それは易に照らして考えてみると・・・」
と得意げに話しをし始める本間の姿をどうぞ楽しみにしていて下さい(笑)
また、もし興味のある先生がいらっしゃいましたら、勉強をしてみて下さい。人生の法則性がわかりますので、患者さんやスタッフとのコミュニケーションにこのうえなく役立つことと思います。
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